「ゲームに最適なプロバイダはどこ?」
今回はこんな疑問に答えていきます。
ズバリ筆者のイチオシは『So-net』です。
別記事で紹介している『NURO光』を運営しているソニーネットワークコミュニケーションズのプロバイダですね。『NURO光』と一緒に使うことがベストです。
さらに筆者厳選の2種、計3種をランキング形式で紹介します。
ゲーミングという観点からプロバイダを選ぶ場合のキーワードは『IPv6(IPoE)』と『制限』です。なぜそう言えるのか、後ほど紹介します。
またゲームとの相性はあるのかどうか、これも後ほど解説します。
オンラインゲーム・ネトゲに最適なプロバイダランキングベスト3
第1位 So-net
公式HP
基本情報
- 対象回線:NURO光、So-net光プラス、auひかり、コミュファ光、フレッツ光(光ネクスト、ギガライン、スマート、ハイスピード、スーパーハイスピード隼、光ライト)
- 回線側必須サービス:フレッツ・v6オプション(無料)
- HGW条件:RT-S300シリーズ、PR-S300シリーズ、RV-S340シリーズ、PR-400シリーズ、RV-440シリーズ、RT-400シリーズ、PR-500シリーズ、RT-500シリーズ、RS-500シリーズ
- 制限:OP25B、auひかり・1日あたり30GB以上のデータ送信で上り制限、NURO光・一定の通信時間と一定の通信容量を超過で制限もしくは切断の可能性有り
- サービス:v6プラス、U-NEXT for So-net、ShowTime、ひかりTV for So-net
月額料金例
- NURO光・4,743円~ ※回線費用を含む
- So-net光プラス・4,480円~ ※回線費用を含む、So-netの光コラボレーション
- auひかり・3,680円~ ※回線費用を含む、プロバイダ単体の料金設定は非公開
- フレッツ光ネクスト(ギガ)ファミリー・1,000円~
- フレッツ光ネクスト(ギガ)マンション・900円~
- コミュファ光1Gホームセレクト・1,300円~
- コミュファ光1GマンションFセレクト・1200円~
かんたん解説
ソニーネットワークコミュニケーションズが運営するプロバイダです。フレッツ光でもauひかりでも使えるのでおすすめですね。
NURO光もソニーネットワークコミュニケーションズが運営しているので、プロバイダも当然So-netとなります。
その他の回線でも利用できますが、コミュファ光だけは1Gbpsまでとなっていることに注意したいです。コミュファ光は最大で10Gbpsの回線を提供しています。
NURO光、So-net光プラス、auひかりの月額料金は回線利用料まで合計した金額を公開しており、プロバイダ単体の料金は公開されていませんでした。比較する場合は、コミコミでどれくらいになるのか計算した上で比較してください。
auひかりの場合、上り側に速度制限を掛ける旨を公開しています。1日あたり30GBを継続的に送信した場合です。後ほどどれくらいで制限になるのか解説します。ちなみにSo-netが設定した制限ではなくau側が設定した制限です。
NURO光の場合、一定の通信時間と一定容量を超える場合、制限もしくは切断することがあります。
一日中高画質動画を見るか、ファイル交換(P2P)アプリケーション(Winnyやカボス等)で大容量ファイルのやり取りをしない限りは大丈夫です。
ただ、明言がされてないだけ、NURO光は生配信が恐ろしいといえます。と言っても新興であるがゆえに今は様子見というところも透けて見えていますがね。
それ以外についての制限は確認できませんでした。
特にフレッツ光で利用する場合は、v6プラスの加入を忘れないようにしてください。v6プラスとは従来のIPv4(PPPoE)で接続するのではなく、新しいIPv6(IPoE)で接続することで速度を改善しようとするものです。
今はかなり効果の高い方法で、今しばらく効果はあるので忘れないようにしましょう。
IPv4 over IPv6方式によりv6プラスに加入していても従来のIPv4を利用したネットワークへのアクセスは可能です。その為、ゲームタイトルに置ける制限は特にありません。
第2位 Gaming+
公式HP
基本情報
- 対象回線:フレッツ光(光ネクスト、ギガライン、スマート、ハイスピード、スーパーハイスピード隼、光ライト)
- 回線側必須サービス:フレッツ・v6オプション(無料)
- HGW条件:RT-S300シリーズ、PR-S300シリーズ、RV-S340シリーズ、PR-400シリーズ、RV-440シリーズ、RT-400シリーズ、PR-500シリーズ、RT-500シリーズ、RS-500シリーズ
- 制限:OP25B、児童ポルノブロッキング
- サービス:グローバルIPオプション
月額料金例
- 2,980円(税抜き)
- グローバルIPオプション利用時4,980円(税抜き)
かんたん解説
国内プロゲーミングチーム『DetonatioN Gaming』のスポンサーにもなっている、フレッツ光でゲームをするならこれにしたいプロバイダです。
フレッツ光以外に選択肢がない人には特にありがたいといえるプロバイダに仕上がっています。
フレッツ光が混雑するのはプロバイダのサーバーと利用者PCの間で、それが原因で安定性や速度を落とすことになっています。
ここを従来のIPv4(PPPoE)からIPv6(IPoE)に変えることで高速化が期待できます。
IPv4 over IPv6方式を取っている為、従来のIPv4ネットワークに対するアクセスが可能になります。これにより、従来のIPv4を利用するゲームサーバーにもアクセスでき、できないゲームがなくなります。
OP25Bは特定ポート(25番ポート)の通信遮断をすることでスパムメールやウイルスメールの拡散を防ぐものです。
児童ポルノブロッキングは有害サイトへの接続をブロックする制限で、有害サイト情報はICSA(インターネットコンテンツセーフティ協会)が提供するリストを活用して運用されます。
25番ポートの開放が必要なゲーム以外に及ぼす影響は全くありません。PCゲームの多くはポート開放が必要でも多くはゲーム側で開放するポートを設定できるので心配はいりません。
また、OP25Bは有名なセキュリティに関する制限方法なので、25番ポートの開放を要求するゲームはありません。わざわざ25番ポートを指定してくるゲームは、むしろ危険なゲームと言えます。
グローバルIPオプションはグローバルIPを固定するオプションで、主にゲームサーバーを自分で立ち上げる際に必要になります。有名なゲームではマインクラフトがこれにあたります。
普通は終端端末やモデムを再起動するたびにグローバルIPが変化します。本来ゲームサーバーに対する接続にはグローバルIPが必要になります。その為、グローバルIPが変化すると変化するたびに、変化したグローバルIPが伝える必要が出てくるのです。
終端端末やモデムは勝手に再起動する場合もあり、停電などによる再起動でグローバルIPが変化していることに気付かないことも多々あります。
人によってはこれが煩わしいと感じるはずです。必要に応じて契約しておきましょう。
しかし、ゲームサーバーを自分で立ち上げることがない場合は契約する必要のないオプションです。
第3位 ちょっパヤ!ネット
公式HP
基本情報
- 対象回線:フレッツ光(光ネクスト、ギガライン、スマート、ハイスピード、スーパーハイスピード隼、光ライト)
- 回線側必須サービス:フレッツ・v6オプション(無料)
- HGW条件:RT-S300シリーズ、PR-S300シリーズ、RV-S340シリーズ、PR-400シリーズ、RV-440シリーズ、RT-400シリーズ、PR-500シリーズ、RT-500シリーズ、RS-500シリーズ
- 制限:OP25B、児童ポルノブロッキング
- サービス:グローバルIPオプション
月額料金例
- フレッツ接続プラン動的IP・2,191円
- フレッツ接続プラン固定IP・3,144円
- v6プラスプラン・2,191円
- マルチIPプラン(8IP)・4,762円
- マルチIPプラン(16IP)・8,572円
かんたん解説
株式会社ネットフォレストが運営するプロバイダです。
あまり耳馴染みが無いかもしれないです。
「ちょっパヤ!ネット」の最大の特徴は、OP25B、児童ポルノブロッキング以外の制限がないことです。これが地味におすすめ。
つまり、どのプランで接続しても、回線速度はフレッツ光側のベストエフォートにおける影響以外にないってことです。
v6プラスプランはIPv6で接続し、ベストエフォートの影響すら回避しようというプランです。なので、かなりの高速化が期待できます。
なんとなくIPv6の接続に抵抗がある人にはもってこいのプロバイダです。
第2位のGaming+より安いのですが、同じサービスとなるv6プラスプランでは固定IPサービスがありません。ゲームに必要な速さと安さを両立させているといえるものの、一部のゲームで便利になる固定IPサービスがないという点で、第3位としました。
固定IPサービスが必要な場合、ベストエフォートにおける影響をもろに受ける上に、混雑の多いIPv4のフレッツ接続プランか、マルチIPプランになってしまいます。
いくらプロバイダが制限をかけていなくても、混雑時の影響は受けますので注意しましょう。
複数のサーバーを立ち上げる予定の人は、自動的にマルチIPプランが便利となります。サーバーのグローバルIPが逐一変化すると管理が大変になりますからね。
IPv4 over IPv6方式を採用する為、従来のIPv4ネットワークへの接続も可能です。これにより、従来のIPv4ネットワークのゲームサーバーに接続でき、できないゲームがなくなります。
プロバイダの選び方/なぜ『IPv6(IPoE)』と『制限』で選ぶのか
冒頭でゲーミングという観点からプロバイダを選ぶ場合のキーワードは『IPv6(IPoE)』と『制限』と言いました。
ゲーミングにおけるプロバイダ選びの最大の重要点で、それ以外はありません。
まず、『IPv6』と言うのはインターネットプロトコルのバージョンの話です。インターネットプロトコルと言うというは、情報(データ)を送受信する上でのルールを指します。なので、速度には関係ありません。
基本的に、
- IPv6はIPoE方式をとり、インターネット上に直接接続し、回線認証のみで接続します。
- IPv4はPPPoE方式をとり、元は電話回線を介してインターネット上に接続する方式で、IDとパスワードによるユーザー認証が必要になります。
IPv6でも、PPPoE方式を取ることは可能です。しかし、PPPoE方式はその技術上最大200Mbpsまでしか速度は出ません。一方IPoE方式では、最大100Gbpsまで対応が可能です。
回線が1Gbpsあっても、IPv6でもPPPoEでは全く意味がないです。
認証速度もIPoE方式の方が早く、かつ、それでいてセキュリティは同等です。
こう言った面でPing値にも影響を与えます。Ping値は応答速度なので、行き帰りの途中で認証に時間を取られれば当然悪くなるわけですからね。
で、結局のところ、従来のIPv4の通信が多すぎる上に、PPPoE方式が多いから混雑しており、認証にも余計な時間がかかっています。
まだ混雑の少ないIPv6のIPoE方式に変えることで高速化の期待ができるわけです。また、未だにIPv6の一般認知度も低いので期待も大きいわけです。
ここで問題となるのが、接続先、ゲームサーバーがIPv4の場合はどうなるのか、です。インターネットプロトコルが違うので当然接続できません。しかし、それを解決するのがIPv4 over IPv6方式です。
IPv6のデータ長にはIPv4二つ分のデータ長を含ませることが可能で、これは実質的にIPoE方式の中にPPPoE方式を内包することが可能なのです。これにより、従来のIPv4ネットワークへのアクセスが可能となるのです。
オンラインゲームのサーバーがどちらのネットワークに存在するのか分からないので、IPv4 over IPv6方式やそれに代わる方式がないとできないゲームが出てきます。
IPv4からIPv6への接続は多くはプロバイダ側で変換してくれるので心配はいりません。
次に、『制限』と言うのは、プロバイダ側が意図的に速度制限を設けているのかどうかです。
プロバイダの接続サーバーにも処理限界はあります。なので、大量の通信を行う人に対して速度制限を掛けることがあります。また、公共物である回線を誰かが占有し続けるというのは由々しき問題です。
公共物である回線を誰かが占有し続ける状況に関しては、ベストエフォート方式で解決済みです。なので、プロバイダの速度制限は接続サーバーの負荷軽減が目的です。
接続サーバーは有限物でどうしても限界があり、サービスは平等に提供される必要があります。この制限はどうしようもない面を持っています。
制限がないという事は、現在の接続サーバーに重負荷をかけるほど利用者数がいないことの裏返しです。
逆にOCNあたりは利用者が多すぎて制限を掛けざるを得ないわけです。
こういった事情は頭の片隅にでも置いておけばOKです。問題は次です。
ゲームファイルやアップデートファイルのサイズが肥大化を続けている現状、早い段階で制限がかかると、ダウンロードに時間がかかっていつまでもゲームが始められない事態に陥ります。
筆者が知る限りでは、60GB以上の初回ダウンロードを強いるゲームがあります。多くの場合で1日に30GBで制限ですので、2日分の制限を被る羽目になるわけです。
ダウンロード中に制限により切断されるとなれば目も当てられません。途中から再開するのならまだ何とかなるかもしれませんが、また最初からともなりかねませんからね。堂々巡りになる可能性があるわけです。
So-netのauひかりにある上り30GBの制限ですが、2Mbpsで生配信した場合、30GBに達するのは約33時間かかります。倍の4Mbpsで16時間です。
2Mbpsでも相当高画質で、4Mbpsでやったとしても日にそんな長時間も生配信できないのでそこまで気にすることではないです。
動画のアップロードにしても、フルHDの60fpsのビデオで、128Kbpsの2chで44,100KHzのオーディオとなる25分のMP4形式の動画ファイルが9GBなので、これを3本上げれば終了です。
かなりの高画質高音質動画で長時間、しかもカット編集なしの生データを日に3本もアップロードすることはまずないのでこれも気にする必要はないです。
プロバイダとゲームの相性/「無い」とは言えないけど考えるだけ無駄
プロバイダとゲームの相性について、筆者としては「ない、とは言えない」となります。ただぶっちゃけ考えるだけ無駄です。結論だけ先に言うと、IPv6への移行が進むので、Ping値という面でIPv4の契約者が泣くことになるだけです。
IPv6の場合はほとんどがIPv4 over IPv6方式になるので、特に問題が出ることはないです。互換性はないのですが、長いデータ長に短いデータ長を内包して分解・検証するだけの話です。
というかPing値が重要になるようなゲームのサーバーがIPv4に頼っているのは、それ自体がラグの原因なのですから未来がないです。
IPv4でIPv6に接続する場合に問題が発生します。短いデータ長に長いデータ長を含ませることはできないので、絶対的に変換をする必要が出てきます。
どのような変換をするのか、したのかによって、ゲームのサーバーがそれを検証する為に時間がとられてしまい、Ping値の悪化を招きます。
Proxyサーバのように中継(代理)応答だと、相性はなくなりますが変換がいるので同じようにPing値は悪くなります。
気を付けたいのはポート開放が必要なゲームです。IPv4の場合、ポート開放は任意でできますが、IPv6の場合は開放できるポートがそれぞれで決まっているので、合わせる必要が出てきます。
これはご自身で調べていただくほかありません。有名どころではマインクラフトのサーバーでしょう。
先にも言ったとおり、IPv6への移行はこれからも進むので取り残されないようにしたいです。
まとめ
ゲーミングにおけるおすすめプロバイダは
イチオシは『So-net』
次点で『Gaming+』
最後が『ちょっパヤ!ネット』
身も蓋もないことを言うと、IPv6のIPoEで接続できて制限がなければどこでもいいです。
が、バックボーンという問題があります。バックボーンが巨大であればある程、多くの利用者が利用できるという利点もあります。
それにあたるのがSo-netです。他二つはまだまだというところですが、Gaming+はまさにゲーマー向けですからね。内容もシンプルではっきりしていますし、ゲーミングチームのスポンサーでもあります。
ちょっパヤ!ネットは名前こそ微妙な印象を受けますが、実はゲーマーには隠れた優良プロバイダでもあるんですね。
NURO光の場合はSo-net以外利用できないですし、今回このような順位付けとなりました。