【最終更新日:2019/5/6】
「CPUクーラーってどれがいいの?」
今回の記事ではこんな疑問に答えて行こうかと思います。
先に言ってしまうと、筆者のCPUクーラーのイチオシは『Cooler Master サイドフローCPUクーラー Hyper TX3 EVO』です。
Cooler Master Hyper TX3 EVO サイドフローCPUクーラー Intel/AMD両対応 日本正規代理店品 RR-TX3E-28PK-J1
さらに筆者厳選のCPUクーラーを後4つ、ランキング形式で紹介します。
CPUクーラーを買うときのポイントは、付属のファンに注意することです。採用の仕方も含めて理由は後ほど説明するので気になる人はそちらを先に読んでください。
【2019年改訂版】ゲーミングPC向けおすすめCPUクーラー5選/『Cooler Master サイドフローCPUクーラー Hyper TX3 EVO』に付け替えてしまえ
【第1位】Cooler Master サイドフローCPUクーラー Hyper TX3 EVO
Cooler Master Hyper TX3 EVO サイドフローCPUクーラー Intel/AMD両対応 日本正規代理店品 RR-TX3E-28PK-J1
スペック
- サイズ:136mm x 92mm x 79 mm(付属ファン含む)
- 対応ソケットIntel:1366/1156/1155/1151/1150/775
- 対応ソケットAMD:Socket AM4/AM3+/AM3/AM2+/AM2/FM2/FM1
- ファン:PWM方式9.2cm冷却ファン
- ファン回転数:800~2800rpm
- ファンノイズ:17~35dbA
かんたん解説
筆者が自作でよく使用するコンパクトサイドフロータイプのCPUクーラーです。
2,800回転もすると流石に音は気になりますが、基本的にそこまで回りません。
CPUのTDPが高いものは気を付けた方がよいでしょう。参考までに書いておくと、筆者の「i7-4770K(TDP84W)」であればどんなに回っても「1500回転(CPU温度83℃前後)」です。
ただし「初期設定なら」という話で、普段は回転数を上げて使用しています。流石に80℃以上になるのは良くないですからね。
ケース内エアフローの基本(フロントから吸気してリアから排気)を崩さないのでエアフロー設計は楽になります。
その分、マザーボード表面の空気が滞留しやすくなってしまうので、メモリーやM.2 SSDの温度が上がりやすいです。
特にM.2 SSDは対策をしないと性能が生かしきれない状況に陥るので気を付けてください。
【第2位】サイズ サイドフロー空冷クーラー 虎徹 Mark II
スペック
- サイズ:154mm x 130mm x 83 mm(付属ファン含む)
- 対応ソケットIntel:LGA2011(V3含む)/1366/1156/1155/1151/1150/775
- 対応ソケットAMD:Socket AM4/AM3+/AM3/AM2+/AM2/FM2+/FM2/FM1
- ファン:PWM方式120cm冷却ファン
- ファン回転数:300~1200rpm
- ファンノイズ:4~24.9dbA
かんたん解説
サイズから、Amazonベストセラー1位に輝くサイドフロータイプのCPUクーラーです。
静音性に優れ、よく冷えると評判の一品です。
こちらも、CPUのTDPが高いものは気を付けた方がよいでしょう。
回転数上限が低いので、放熱しきれない場合が出てきます。
第1位と比べるとコンパクトさはないので、ケースとの相性は確認したほうが良いです。ミニタワーやミドルタワーの一部のケースには入らない可能性が十分あります。
その分、フィンもファンも大きいので性能は「とんとん」といったところでしょうか。
ベストセラー品とは言っても、ケースを選ぶので汎用性に欠けます。そういう意味で第2位に位置づけました。
【第3位】Cooler Master Master Liquid ML120RS RGB
Cooler Master MasterLiquid ML120RS RGB 水冷一体型 CPUクーラー [Intel/AMD両対応] FN1275 MLX-S12M-A20PC-R1
スペック
- ラジエーター寸法:157mm x 120mm x 77mm(付属ファン2個取り付け時)
- 対応ソケットIntel:LGA2066/2011-v3/1366/1156/1155/1151/1150/775
- 対応ソケットAMD:Socket AM4/AM3+/AM3/AM2+/AM2/FM2/FM1
- ファン:PWM方式120mm冷却ファン2個
- ファン回転数:650~2000rpm
- ファンノイズ:6~30dbA
かんたん解説
シングルサイズの水冷クーラーです。
Master Liquid MLシリーズには120mm、240mm、360mmの3タイプにASRockのPhantom Gamingコラボレーションモデル240mmタイプと、AMD Socket TR4 Editionがあります。
目的に合わせて選ぶことができ、ファンとポンプヘッダはRGBLED採用で好みに光らせることができます。無論、消灯することも可能です。
「シングルサイズ」のみ、ラジエーターをファンでサンドイッチしているので、他のタイプにも劣らない冷却力があります。
静音性を重視する場合は240mmタイプや360mmタイプの方がよいです。ただし、ケースを選ぶことになるので気を付けましょう。
また、360mmタイプはHDDや光学ドライブ取り付けを制限する場合があるので、ケースを選びには十分な注意が必要です。
オーバークロックや、TDPの高いCPUを使う、重負荷環境が長く(1時間以上)続くようなら素直に水冷にしましょう。
水冷の悪いところはコストの悪さです。また、マザーボードに物理的負担を掛けないにしても、電源ON時にクーラント液が漏れると壊してしまいかねないという面も持ち合わせています。
そのあたりを踏まえて運用するようにしましょう。
【第4位】Noctua NH-C14S
[Noctua正規代理店]NH-C14S-C-タイプ プレミアム CPU クーラー[NH-C14S]
スペック
- 寸法:115mm x 140mm x 163mm(付属ファン含まず)
- 対応ソケットIntel:LGA2066/2011/2011-v3/1156/1155/1151/1150
- 対応ソケットAMD:Socket AM4/AM3+/AM3/AM2+/AM2/FM2+/FM2/FM1
- ファン:140mm冷却ファン1個(Noctua NF-A14 PWM premium FAN)
- ファン回転数:300~1500rpm
- ファンノイズ:最大24.6dbA
かんたん解説
NoctuaのトップフロータイプのCPUクーラーです。
主要な国際的ハードウェアWebサイトや雑誌から200以上の賞を受けたNH-C14の性能をそのままに、互換性を改善した後継となるのが本機です。
ファンはフィンの上下に取り付け可能で、CPU側につけると高さを抑えることができるようになります。
その際の高さは115mm、ファンを上に取り付けると高さは142mmとなります。
気を付けたいのはメモリーで、高さのあるメモリーは干渉する可能性が十分あります。
トップフローの良さは、マザーボード表面に気流を生むことで、マザーボードの発熱部品の温度を抑えることができる点です。
しかし、ケース内気流は乱れに乱れるのでタワー型の排気は、ケースファンに気を使いましょう。
キューブタイプで設置面とマザーボードが水平ならば、ファンをCPU側につけて、全面吸気、後方吸気、上部排気するとよいです。
【第5位】ENERMAX 水冷CPUクーラー LIQMAXII ELC-LMR120S-BS
ENERMAX 水冷CPUクーラーLIQMAXII ELC-LMR120S-BS
スペック
- ラジエーター寸法:150mm x 120mm x 79mm(付属ファン2個取り付け時)
- 対応ソケットIntel:LGA2011/1366/1156/1155/1151/1150/775
- 対応ソケットAMD:Socket AM3+/AM3/AM2+/AM2/FM2+/FM2/FM1
- ファン:3段階回転範囲切替可能PWM方式12mm冷却ファン2個
- ファン回転数:500~2000rpm
- ファンノイズ:16~35dbA
かんたん解説
最後に紹介するのは水冷クーラーです。
筐体と相談しないといけないのは変わりませんが、できれば240mmバージョンにした方がより静かです。
120mmのシングルがおすすめな理由は、筐体は必ず一ヶ所は排気口がついているからです。
ただし、後方排気口のサイズはケースによって異なり、120mm未満のケースも多いので気を付けましょう。
後方排気口にラジエーターを取り付けた場合、相当な熱風になって排気されるので、ケース内温度が分かりにくいです。
グラフィックボードの所為でケース内温度が上昇している場合もあるので、上部にラジエーターを取り付けて排気できるケースにして、後部排気は普通にファン排気にしておきたいです。
そうすることでケース内温度の把握が楽になります。
無論温度センサーを用いた方がよいのですが、温度をピックアップする場所によっては不適切な数値になります。
ただ、そういった知識は設計のプロクラスの人が研究して得る結果なので、普通に使う程度の素人なら「後方排気」に手で触れて確認する程度で全然問題ありません。そこまでする必要はどこにもありません。
水冷式は空冷式よりもよく冷えるので、重負荷時の不安定さは軽減か、解消されるでしょう。
ファンでサンドイッチして風量や静圧を上げているので120mmタイプにしては冷却力が高いです。
その分、厚みが気になりますが、かといって他に干渉するものがないのでそこまで心配するする程の物ではありません。
AMD最新のsocket AM4への対応が見られないのが残念です。
CPUと筐体の間に余裕のない場合は、水冷が便利なのですが、こちらも例にもれずコストの悪さを持っていますので、使えるのであれば空冷がよいです。
CPUクーラーの選び方|ファンに気を付けて
PCの騒音は、必ずといっていいほどファンに原因があります。
ファンは要するに扇風機です。風力を最大にするとすごい音がした経験はありませんか?
それと同じことがCPUクーラーのファンで起きています。
CPUは発熱部品なので冷やさないといけませんが、かといって常時最大回転数だと、アイドル時もうるさいです。
ファンが冷却に必要なだけ回転してくれた方が、冷却と静音を両立できます。
そのファンの回転数制御を、PWM制御、PWM可変などといいます。
基本的には回転数制御できるファンがついていますが、まれについていないことがありますので注意したいところです。
なお、マザーボードにPWM制御機能がない場合もあります。この場合はファンがPWM制御可能でも、意味をなさないのでマザーボードの仕様にも注意しましょう。
水冷と空冷の選択ですが、TDPが100Wを超え、CPUに対して重負荷になり易い環境であるのなら、水冷を選びましょう。
空冷クーラーは冷却力に比例して巨大化します。空冷クーラーは金属でできているので巨大化に比例して重くなります。
設置面に対してマザーボードが水平になるのならいいのですが、そうでないケースは多いのでマザーボードがたわみ、接触不良や不安定動作につながりやすいのです。
こういう場合は素直に水冷クーラーにしましょう。120mmタイプでもかなりの冷却力があり、多くのケースで取り付けが可能です。
240mmタイプはケースを選ぶものの、取り付け可能なケースは多いです。
360mmタイプは取り付け可能なケースがかなり少なく、多くのケースでHDDや光学ドライブの取り付けが難しくなります。採用する場合は慎重になりましょう。
多くの場合で、CPU温度が90℃でクロック制限、101℃以上でOSの強制シャットダウンかブルースクリーンになります。
うるさいからと言ってファン回転数をむやみに下げ過ぎないようにしましょう。動作不安定の原因になります。
また、空冷にしろ、水冷にしろ、フィンとラジエーターの埃による目詰まりに注意です。どんなに良いものを入れていようと、空気の通りが悪くなるので冷却力が落ちてしまいます。
定期的な掃除や、吸気口のフィルター追加等を行い、性能低下に十分気を付けてください。
まとめ
ゲーミングPC向けCPUクーラーのおすすめは、
第1位が『Cooler Master サイドフローCPUクーラー Hyper TX3 EVO』
第2位が『サイズ サイドフロー空冷クーラー 虎徹 Mark II』
第3位が『Cooler Master Master Liquid ML120RS RGB』
第4位が『Noctua NH-C14S』
第5位が『ENERMAX 水冷CPUクーラーLIQMAXII ELC-LMR120S-BS』
水冷の方が冷えますが、価格はその分割高です。TDPが高いCPUを使う、コンパクトなPCを作るような場合でもなければ空冷で十分です。
トップフロータイプの空冷クーラーもありますが、能力はどうしてもサイドフロー式が上です。
これは筐体内部の気流が関係し、サイドフローで使った空気は多くの筐体ですぐに排気される構造になっていることに由来します。
とはいってもそれはCPUのみに絞った場合で、マザーボードやメモリーも一緒に冷却できる点は評価すべきでしょう。