【最終更新日:2022/7/1】
こんにちは。ゲームオタクのノリカズです。
「PC電源のおすすめが知りたい」
「メーカーいっぱいあるけどどこがいいの?」
この記事ではこのような疑問にお答えしていきます。
電源にはスタンダード、フルプラグイン(フルモジューラー)、セミプラグイン(セミモジューラー)というように、パーツとの接続方式によって種類が分かれます。
さらに80PLUS、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、チタンと効率の良い順に分けることができます。
ATXとTFX電源がありますが、自作では基本的にATX電源を使います。TFXはスリムPCなどの小型用です。
この中で筆者のイチオシは『CoolerMaster V750』です。
このほかにも筆者厳選電源を4つ、計5つをランキング形式で紹介します。
自作する場合の電源の選び方には、絶対に考えなければならない事があります。
それはパーツの予測電力消費の計算です。こちらは自分で計算するよりもドスパラに専用のサイトがあるので、そちらを活用しましょう。
▼パーツの予測電力消費の計算ができるサイト(電源容量計算機)
ここで出たワット数×1.5~2倍したワット数が電源容量の最適解です。理由はまとめで話します。
そして安物電源は絶対に買わないでください。理由は後ほど解説します。
ゲーミングPC用おすすめメーカー製電源5選
【第1位】CoolerMaster V750
CoolerMasterシリーズのATX電源です。コストパフォーマンスが抜群で筆者も使用しています。
スペック
- 電源容量:750W
- +3.3V、+5V OUTPUT:120W
- +12V OUTPUT:744W
- 80 PLUS:ゴールド
- 保護機能:OVP/UVP/OPP/OTP/SCP/OCP
かんたん解説
雷保護回路は入っていませんが、雷保護回路入りの電源を探すよりサクッと雷保護電源タップを買った方が安上がりで確実です。
筆者はこの上のクラスの850W型を使っていますが、現状のパーツから言えば750Wで必要十分です。なのでこちらをおすすめとしました。
4年ほど使っていますが不安定挙動もなく、壊れそうな様子はありません。
セミプラグインタイプで、ドライブ分がプラグインになっているので、初心者でも内部配線がすっきりと作りやすいタイプです。
HDDなんていくつも載せませんし、光学ドライブも最近は載せない方向にシフトしていますからね。
シリーズには750W 80+ Gold、650W 80+ Gold 、550W 80+ Goldがあり、上位のフルモジューラータイプのVシリーズには、1200W 80+ Platinum、1000W 80+ Gold、850W 80+ Gold、750W 80+ Gold、650W 80+ Goldがあります。
【第2位】SilverStone Strider Platinum SST-ST75F-PT
老舗PCパーツメーカーSilverStoneから、750WのコンパクトATX電源です。
スペック
- 電源容量:750W
- +3.3V、+5V OUTPUT:120W
- +12V OUTPUT:750W
- 80 PLUS:プラチナ
- 保護機能:OVP/UVP/OPP/OTP/SCP/OCP
かんたん解説
こちらも雷保護がないので注意です。ただ、そうそう雷なんて直撃し無いと思いますがね。みんなカミナリ気にし過ぎです。雷保護電源タップ買ってください!笑
コンパクトなので、筐体(ケース)内で電源が占める割合を減らすことができ、さらに筐体内部の気流の影響力が減ります。
80PLUSプラチナながらもコストパフォーマンスも抜群で、昔から多くのPC自作者に愛用されるメーカーです。
フルプラグインタイプなので、必要なケーブルだけにでき、内部配線がスッキリします。
シリーズはかなりの数があるので、80+認証ごとに紹介します。Sがついているものはマイナーアップデートバージョンです。
- Titanium:600W、700W、800W、1100W、1300W、1500W
- Platinum:550W、650W、750W、850W、1000W、1000W S、1200W、1200W S
- Gold Evolution:1000W、1200W
- Gold S:550W、550W S、650W、650W S、750W S、850W S、1500W S
- Silver:600W、750W、850W、1000W、1500W
- Bronze:500W、550W、600W、650W、700W、750W
1500Wって、2CPUに4Way-SLIも視野に入れているのでしょうかね? 普通はそこまで使わないです。大きくても1000W~1200Wでしょう。
目的や予算に合わせられるようにこれだけ用意されているのはうれしいことです。ネットサーフィンしかしないようなPCにTitaniumの1500Wなんて乗せても意味がないですからね。
【第3位】Seasonic FOCUS+ 80 Gold SSR-750FX
PC電源メーカーでは知らない人がいないSeasonicから、750WのコンパクトATX電源です。
スペック
- 電源容量:750W
- +3.3V、+5V OUTPUT:100W
- +12V OUTPUT:744W
- 80 PLUS:ゴールド
- 保護機能:OVP/UVP/OPP/OTP/SCP/OCP
かんたん解説
Seasonicは高級電源として有名なのです。ブランド力を確立しているので信頼性は高いです。
こちらも雷保護がないので注意です。
特徴的なのは高性能流体動圧軸受(FDB)のファンを採用し、静かで、電源本体にファンコントロール機能を搭載していることです。
意外と軽視されがちですが、ファンが静かなのは重要です。冷却にはファンは欠かせません。しかし、そのファンがPC騒音の主な原因です。
驚異的なのは、10年の長期保証です。普通はこの半分の5年か3年、最悪1年程度です。そもそも、電源に使われている電子電気素子が持たないですから、ここまでの長期保証はそうそうありません。
シリーズには1000W 80+ Gold、850W 80+ Gold、750W 80+ Gold、650W 80+ Gold、550W 80+ Goldがあります。
【第4位】Thermaltake TOUGHPOWER DPS G RGB PS-TPG-0750DPCGJP-R
PCケースメーカーの老舗、Thermaltakeが送り出す、750WのコンパクトATX電源です。
スペック
- 電源容量:750W
- +3.3V、+5V OUTPUT:100W
- +12V OUTPUT:744W
- 80 PLUS:ゴールド
- 保護機能:OVP/UVP/OPP/OTP/SCP/OCP
かんたん解説
マザーボードとUSB接続することにより、専用ソフトウェア『Smart Power Management』が使えます。このソフトを使ってパフォーマンスの管理が可能となります。
また、同ソフトによって外出先からのPCの再起動やシャットダウンが可能となります。RGBファンを搭載し、カラーコントロールも同ソフトから可能です。
ファンは低負荷時に停止することも可能で、アイドリング時の静音化に役立ちます。
こちらも保証期間は10年とかなり長いです。
シリーズには850W 80+ Gold、750W 80+ Gold、650W 80+ Goldがあります。
少ないですし、1000Wクラスが必要になった場合に対応しきれないのが残念です。
【第5位】Corsair HX750i
ゲーミングでは紹介から外すことはできないCORSAIRから、750WのコンパクトATX電源です。
スペック
- 電源容量:750W
- +3.3V、+5V OUTPUT:150W
- +12V OUTPUT:750W
- 80 PLUS:プラチナ
- 保護機能:OVP/UVP/OPP/OTP/SCP/OCP
かんたん解説
PCパーツの老舗、CORSAIRが送り出すこの電源の最大の特徴はモニタリングができる事です。
専用の『Corsair Link Dashboard』を使い、消費電力や変換効率の監視、シングルレーンやマルチレーンの着替えができます。ただし、利用するには付属のUSBケーブルでマザーボードと接続しておく必要があります。
こちらも保証期間は10年とかなり長いです。
シリーズには1200W 80+ Platinum 、1000W 80+ Platinum、850W 80+ Platinum、750W 80+ Platinumがあります。
750W未満がないのは残念ですが、ゲーミングPCで600Wや650Wは少し苦しい面があるので、容量足らずにならなくて済むという点があります。
安物電源を買ってはいけない理由
ズバリ、安物電源のデメリットは保護回路がないことです。
今回紹介した電源にはすべて保護回路が付いていますが、保護回路がない「安物電源」を使うと、仮に電源が壊れた場合に他のパーツに対して被害が及びます。
保護回路の種類は次の通り。
- OCP…過電流保護
- OPP…過負荷保護
- OTP…過温度保護
- OVP…過電圧保護
- SCP…ショート(短絡)回路保護
OCPとOVPは、何らかの影響により生まれた大電流や大電圧が電源内や他パーツに向かって流れないようにするための物です。パーツを構成する電子素子は許容電流量と許容電圧量が決まっており、超過すると当然壊れてしまうので、それを防ぐ目的があります。
OPPは何らかの影響により、極端な負荷状態に陥った際に、大電流や大電圧、極端な温度上昇を引き起こさないように、機能制限や強制的に電源OFF状態にします。
負荷が高くなればなるほど、必要な電力が増え、電力消費が増えれば発熱も凄まじいものとなります。何らかの影響により、電源を構成する電子素子が壊れて、他の素子に負担をかけた場合も同様です。なので、ある程度の負荷までで止まるようにするのです。
OTPは何らかの影響により、極端に温度が高くなってしまった場合に働く保護回路です。温度上昇により電源を構成する電子素子の寿命は無論縮みますが、問題は極端に上昇すると電子素子は融解や破裂といった物理的破損を引き起こします。
また、電子素子は温度によって性能が変化します。OTPがないと性能変化によって大電流や大電圧が発生するだけでなく、搭載された保護回路が意味をなさない事態を引き起こしかねません。
SCPは、何らかの影響により電源を構成する電子素子の破損によるショートや出力側でのほこりなどによるショートが起こった際に電源をOFFにする機能です。ショートすることによる問題は、ショートによる大電流の発生です。
大電流の発生は電子素子だけでなく、回路内電子素子を繋ぐ導体やパーツと接続する配線を発熱させ焼き切ってしまいます。
一つでも欠けると電源破損時のパーツに対する影響は無視できなくなります。特にOCPとSCPは混同されがちでどちらかが欠けていることが多いので注意が必要です。
OCPとSCPは発生する事態が同じでも、過程が違います。となれば、保護回路が働くために異常を検出する位置や方法が違います。なので、万全の為には必要なものなのです。
紹介した電源にあるUVPは低電圧保護で、想定より低い電圧が出力されている場合に電源をOFFにする機能です。低電圧の問題は電子素子の働きが不安定になることで、様々な不具合を誘発することにあります。
なくても問題はない物の、不具合の原因が電源にあるのかどうか分からなくなるので合った方がよい保護機能です。最終的にテスターで電圧を計らなければならないのは同じですが。
よって他のパーツを守りたいのなら、最低限これだけの保護回路がないと無理です。
特に「玄人志向」の電源は気を付けてください。知識がある人なら玄人志向でも大丈夫なのですが、初心者が扱える代物ではありません。名の通り、玄人向けです。ご注意を!
ここが電源の面倒なところで、電気知識がないとこれらの事はよく分かりません。PCに電気知識が必要かと言われれば、どちらの答えも帰ってくる理由の一つでもあります。
雷保護がない電源が非常に多いのですが、そもそも直撃するものでもない以前の問題があります。電源内部に雷の大電圧や大電流が入り込んだ時点で、保護回路があっても完全に防ぎきれない上に、保護回路が壊れてしまい二度目がないこともあるのです。
なので、雷保護に関しては電源タップ側でやった方が効率もよく、効果が高いので乗せてない製品が多いのです。
なぜ電源は余裕を持たせた方がいいのか
その答えは認証と寿命にあります。
現在では当たり前になっている電源の80PLUS認証ですが、中身は電源負荷率20%、50%、100%で電源変換効率80%以上であることです。
電源負荷率100%と言うのは電源容量と消費電力が同じ時の事を指します。
これ、実は電源負荷率によって電源変換効率変わってしまう事を示唆しています。
この表のように、一番効率がいいのは電源負荷率50%のときです。計算した消費電力の2倍という数字の根拠はここにあります。
寿命に関しては結構単純な問題で、全力疾走でどれだけの距離を走ることができるか、とほぼ同じです。
余力を残していた方がより長い距離を走ることができる事と同じように、余力があった方が寿命は長くなります。
1.5倍という数字ですが、最近のPCは省電力モードがあり、常にTDP通りに動くわけでもなく、HDDにしてもアクセスがなければ電力を消費しません。
そういったアイドル時が必ずあるので、1.5倍でも問題はないのです。
また、余力を残しておいた方が、後からパーツの交換や増設の際に電源容量を気にしなくてよいようにするためです。
なお、CPUやグラフィックボードを別の物に交換する場合は再計算が必要です。
まとめ
ゲーミングPC用メーカー製電源のおすすめは
- 第1位が『CoolerMaster V750』
- 第2位が『SilverStone Strider Platinum SST-ST75F-PT』
- 第3位が『Seasonic FOCUS+ 80 Gold SSR-750FX』
- 第4位が『Thermaltake TOUGHPOWER DPS G RGB PS-TPG-0750DPCGJP-R』
- 第5位が『Corsair HX750i』
今回は750Wを紹介しました。理由としてはパーツが消費する電力が、よほど高級な環境出ない限り、750W以上になることは少ないからです。
そして、計算で得られたワット数から1.5~2倍したワット数は大体が750Wになります。
ワット数がギリギリの場合、それだけ電源に対する負荷が高くなります。高負荷で動き続けるとすぐに寿命が来ます。
余裕を持たせることで長寿命化し、拡張した場合も特に気にすることなく使い続けられます。
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